日産自動車 カルロス・ゴーン氏のCEO退任(2017年4月1日)が発表されました。
カルロス・ゴーン氏は、1999年 ルノーより日産のCOOに就任、その当時経営危機にあった日産
を復活させるため「日産リバイバルプラン」、「日産バリュープラン」などをリードし、
現在は、日産とルノーの両社のCEO、三菱自動車の会長をつとめる。
カルロス・ゴーン氏のリーダーシップのキーワードは下記と考える。
1)一貫性
一貫性を持ち、素早く決断する点。日産リバイバルプランの時の5工場閉鎖や三菱自動車への出資などの決断をしている。
2)問題発見と優先順位
事業の問題を発見し、優先順位付けを行う。例えば、企業にとって重要な市場シェアと利益について、「シェアよりも、利益を優先する」と言っている。
3)コミットメント
自らも厳しく目標を追求し、またメンバーにも同様にコミットメントを求める。日産リバイバルプラン(1999年)の時には、「目標達成できない場合は、責任を取ってやめる」と宣言している。
4)異文化理解
外国人経営者でありながら、日本企業の強み(技術力、製造力、品質力、現場力など)をよく理解、尊重し、活用している。
なによりもゴーン氏の経営、リーダーシップは、シンプルでわかりやすいということがある。
一見、複雑な経営やリーダーシップを難しくとらえ、複雑に説明するのではなく、
だれにでもわかるように優先順位をつけ、実践している点も強みである。
ゴーン氏の後継者育成力、人材育成力については、今後、新体制となる日産の事業経営により
判断される。
(EQパートナーズ代表取締役・立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 教授 安部哲也)
【ご参考】よろしければ、下記もご参考ください。
「カルロス・ゴーン流リーダーシップ・コーチングのスキル」
(安部哲也著、あさ出版)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4860630440/250-3299046-9728248?v=glance&n=465392