2018年6月に、米国シリコンバレーやサンフランシスコの企業などを視察する中、ビジネス環境の変化に伴い、組織やリーダーシップ、コミュニケーション、仕事の進め方などが変化してきていることを感じました。
皆様、すでにご存じの通り、ビジネスを取り巻く環境は大きく下記のように変化してきています。
1)アナログからデジタル化への変化
インターネット、SNSなどはもちろん、AI、IOT、クラウド、ビッグデータなどが台頭してきており、組織の在り方、リーダーシップやコミュニケーションの取り方に影響してきます。
2)ミレニアル世代(1980-2000年生まれ。現在、18-30歳代前半まで)の社会進出
物心がついたころから、パソコン、インターネット、SNSに触れてきたデジタルネイティブといわれるミレニアル世代が社会進出してきており、上記のデジタル化における重要なプレーヤーとなりつつあります。このようなデジタル世代へのリーダーシップ、コミュニケーションは、それまでのアナログ世代へのリーダーシップとは、違うものとなってきます。
3)モノカルチャーからダイバーシティ化への変化
女性活躍推進、外国人材の活躍推進、人生100年時代といわれる中での雇用延長、副業の解禁など、従来の日本人、男性、年配者、正社員中心の組織から、国籍、性別、年齢、働き方を超えた組織へと変化してきています。
このようなビジネスを取り巻く社内外の環境変化の下、求められるリーダーシップも下記のように変化してきています。
1)コマンド&コントロール(命令&管理)型リーダーシップから、コネクト&コーディネート(結合&調整)型リーダーシップへの変化
ポジションパワー(役職などポジションによる権威)をもとにした、指示命令、管理監督型リーダーシップが通じにくくなってきています。個々人としてつながりを持ち、コミュニケーションをとりながら、アイデア、価値を創造していくリーダーシップが求められてきています。
2)アナログコミュニケーションとデジタルコミュニケーションの併用
SNSコミュニケーションの特徴は、即時性、平等性、拡散性です。SNSを有効活用したコミュニケーションはもちろん、日常のコミュニケーションでも、即時性、平等性などを意識したコミュニケーションが必要となってきます。
3)ハイコンテクスト・コミュニケーションからローコンテクスト・コミュニケーションへ
ダイバーシティ化したチームでは、従来の”あうん”の呼吸は通じにくくなってきます。リーダーは、明確な目標設定や説明責任を果たしていく必要が出てきています。
(文責:EQパートナーズ株式会社 代表取締役社長・立教大学大学院ビジネススクール教授 安部哲也)