ある企業の部長層向け経営&リーダーシップ研修で、ハーバードビジネススクール ケース “富士フイルム第二創業”を題材に、ディスカッション
を行いました。
これは2006年以降、第二創業として企業変革に成功した富士フイルムと、対照的に、変革できず、倒産したコダックとを比較したケースです。
このケースから学べる点は、
1.自社のコアコンピタンスの定義と実践活用
2.古森社長の変革型リーダーシップ
です。
コアコンピタンス(中核的強み)とは、
1)顧客にとって高い付加価値を与えられること
2)幅広い分野に応用できるポテンシャルがあること
3)競合他社に真似されにくいこと
です。
富士フイルムは、“超微細粒子・コラーゲン制御など高機能材料分野の技術”を自社のコアコンピタンスと定義し、これを活用してフラットパネルディスプレイ、医療品や化粧品事業に展開していきました。
「みなさんの会社はコアコンピタンスを定義できていますか?」
これはたいへん難しい質問です。
VUCA(変化、不確実、複雑、曖昧)の時代と言われる現在、企業経営者も“自社のコアコンピタンス”について、悩んでいます。
また、古森社長の変革型リーダーシップとは、トランスフォーメーショナル・リーダーシップです。
限られた情報の中から決断する能力、決断したことをやり抜く圧倒的な実行力、人を動かす力などが、強みとしてあげられます。
半面、カリスマ性が強すぎ、社員層から反対意見が上がりにくいのでは? 後継者問題は?など、活発な議論がありました。
「みなさんの会社ではいかがでしょうか? 状況に応じたリーダーシップが発揮されているでしょうか?」
参考:ゲイリー・ハメル著『コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略』
(EQパートナーズ代表取締役社長・立教大学大学院 教授 安部哲也)