【コラム】リーダーシップとフォロワーシップ “部下よりも上司に困っている人が多い”

私が立教大学大学院(MBA)や企業教育などで担当させていただくリーダーシップ講座の中で、意外に質問や相談が多いのが“上司との問題”です。リーダーシップ講座ですので、基本的には部下や後輩のリードの考え方や方法を取り扱いますが、実は部下に対してよりも、上司に対する問題・悩みを感じている人が多いようです。

先日もある企業の主任向けリーダーシップ研修で「部下とはうまくいっているが、上司と合わずたいへんに困っている」との相談があり、30分ほど個別にコーチングさせていただきました。よく聴いてみるとその方の上司も部下であるご本人もともに仕事熱心で、良い成果を上げたいと思っているのですが、仕事のやり方、スタイルが違っており、問題が起こっているようでした。具体的には、ご本人は、時間をかけ論理的に分析・検討しながら仕事をするタイプですが、上司からは「そんなに時間をかけずに、まずやってみろ」と言われているとのことでした。

リーダーシップ論の大家である、ハーバード大学ビジネススクールのジョン・コッター教授も“Managing your boss”(1993)の論文にて、上司をマネジメントすることの重要性を説いています。

「仕事のできるマネージャーは、部下だけではなく、上司との関係にも十分時間を割き、努力している」

ではその方法は? というと次の3つです。

(1)上司を知る・理解する:

・上司の目標とゴールは? ・上司が組織から受けているプレッシャーは?

・上司の強み&弱みは? ・上司が好む仕事スタイルは? など

(2)自分を知る・理解する:

・自分自身の強みと弱みは? ・自分の好む仕事スタイルは?

・パワーを持つ人に対して自分が取りがちな態度の傾向 など

(3)上司と自分の関係性を調整する:

・自分と上司の仕事のスタイルを調整する(合わせる)

・双方の期待を明確にする、伝える(アサーション)

・上司への報告を欠かさない(不安を抱かせない、特に悪い情報は早く)

・上司の時間を考える  など

「上司と自分の関係性を調整する」中にあるように、時に部下側が自分の仕事スタイルを若干調整し、上司のスタイルに近づけることでうまくいくようになることがあります。

例えば、上司が「口頭での報告を好むか、書類での報告を好むか」「じっくり検討したうえで動くタイプか、まずは動いてみて動きながら考えるタイプか」等を理解して、自分のやり方をそれに合わせるのです。

自分と違うスタイルを実践することで自分自身の成長につながる場合もよくあります。

また、事実と意見を分けて話す、相手の問題にフォーカスせずに双方にWIN-WINを導く提案を行う、などのアサーション(積極的自己主張)のスキルを活用することも効果的です。

“自分よし、相手(上司)よし、会社・社会よし”の「三方よし」となるように考えていただくことを提案したところ、先の主任研修の相談者の方は、まずは上司の分析と関係性の調整にチャレンジしてみるとのことでした。よい成果が出ることを期待しています。

(EQパートナーズ株式会社 代表取締役・立教大学院 兼任講師 安部哲也)

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