2014年2月19日、シンガポール国立大学 ビジネススクールのプレム教授をお招きし、弊社EQパートナーズと共同でグローバルマーケティングセミナーを開催させて頂きました。
グローバルで成功するマーケティングには、3つの要素が重要となります。
1)マーケットシェア・リーダーシップ
2)ブランド・リーダーシップ
3)カスタマー・インティマシー(顧客関係性)
これらの3つの要素を含めたバランスの良い実践が、継続的な市場シェア(売上)、ブランド(利益)を生み出します。
1)マーケットシェア・リーダーシップとは、文字通り、市場シェアを獲得することです。具体的には、
1.製造コストを削減
2.効率的・効果的なサプライチェーンの構築
3.戦略的なアウトソース
4.チャネル・パートナーシップ などです。
例えば、米国APPLE社は、製品の企画・設計・デザインなどは自社内で行いますが、部品調達、組み立て製造などは、中国のFOXCONなどへ戦略的にアウトソースをしています。また、マーケティング・販売については、日本ではソフトバンク、KDDI、ドコモなどとパートナーシップを組んで販売し、世界各国でも同様のパートナーシップを構築しています。これらにより、リーズナブルなコストで価格を設定でき、また世界中で一気に販売を拡大できています。
2)ブランド・リーダーシップとは、ブランド(市場・顧客との信用・信頼)を獲得することです。具体的な打ち手としては、
1.製品・サービスのイノベーション
2.デザインの洗練
3.ビジネスプラットフォームの占有
4.ユーザーフレンドリーの追求 などです。
米国APPLE社は、優れた機能と洗練されたデザインのIPOD,IPAD,IPHONEと次々に製品イノベーションを起こしています。またAPPLEストアなどでソフトウェアのプラットフォームを押さえています。
これもAPPLEの例では、APPLEストアなどでの各製品を手にとって体験してもらい、APPLEストアのGenius Bar(ジーニアス・バー)で個別の技術サポートが受けられるなどのサービスを行っています。 APPL以外の事例としては、B TO B(企業向けビジネス)の米国インテル社も戦略的サプライチェーンによるマーケットシェア、リーダーシップ、 パソコンの”Intel INSIDE”などによるブランド構築などをうまく行っている例として紹介されていました。
3)カスタマー・インティマシーとは、良好な顧客関係性を構築することです。具体的には、
1.感情的ブランドの構築(このブランドが好きだと感じてもらう)
2.ブランド・コミュニティ
3.カスタマー・サービス
4.体験的マーケティング などです。
プレム教授によるとこの3つの打ち手を同時並行的に行うことで、グローバル市場でのシェアと利益獲得が進むとのことです。 グローバル市場での展開を行っている日系企業へのアドバイスとしては、 マーケットリーダーシップにおいては、より戦略的なサプライチェーン構築やグローバルアウトソースを行い、コストを抑えること。 自前主義にこだわりすぎないこと。 ブランドリーダーシップにおいては、韓国のサムスンやLGのようにブランドを戦略の重要要素と位置づけ、戦略的な投資を行うこと。日本企業はブランド力への認識が少ない、などを指摘していました。