NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」におけるリーダーシップとフォロワーシップについて考えてみました。
豊臣秀吉は確かにリーダーとして優秀だったかと思いますが、秀吉ひとりでは天下統一は成し得なかったでしょう。
黒田官兵衛などの優秀なフォロワーがいてこその天下統一だったのではないでしょうか。
このことは現代の我々のようなビジネスや社会活動でも全く同じと言えます。
リーダーシップはリーダーひとりだけで成り立つものではなく、必ずフォロワーがいて成り立つものです。
リーダーも完璧なスーパーマンではなく、強みも弱みも持つ人間です。
このリーダーを上手く生かすも生かさないも、フォロワーの力量が大きく影響します。
松下電器(パナソニック)においては、創業者・松下幸之助氏というリーダーを強力にサポートした
高橋荒太郎氏という優秀なフォロワーの存在がありました。
フォロワーと一言で言っても、それには様々のタイプがあります。
ここでは、「支援」と「批判」の2軸が高いか低いかで分類します。
(1)「支援」…高 & 「批判」…低 :忠実な実行者タイプ
リーダーの言うとおりに動く。
織田信長はのタイプのフォロワーを求めた。
一般的にリーダーはこのタイプを好む。
(2)「支援」…高 & 「批判」…高 :参謀タイプ
戦略パートナー。秀吉に対する官兵衛がこれに当たる。
リーダーの強みを引き出し、弱みを補い、間違った方向に行こうと しているときには、
勇敢に意見を述べ方向修正を試みる。
(3)「支援」…低 & 「批判」…高 :反抗者タイプ
リーダーを支援せず、批判・攻撃をする。
晩年の織田信長に対する明智光秀がこのタイプ。
リーダーにとっては扱いづらく、組織にとってもあまり好ましくない。
(4)「支援」…低 & 「批判」…低 :従属者タイプ
最低限の義務は果たす。
言われるがままについていくタイプ。
上の4つのタイプのうち、リーダーにとってどのフォロワーが理想かというと、
忠実な実行者タイプが扱いやすいのですが、参謀タイプによって自分の弱みや欠点を補う必要があります。
また組織全体にとっても、リーダーの判断が間違ったときには修正を行える参謀タイプが必要となります。
それでは、参謀タイプのような戦略パートナー型フォロワーになるためには、どのようにすればよいでしょうか。
以下にまとめます。
①フォロワーは、組織の使命・ビジョンのために動くことを認識する。
②フォロワーは、リーダーとともに使命・ビジョンを実現するための存在であることを認識する。
③フォロワーは、自身で哲学、教養、信念、価値観、見識などを持つ。
④フォロワーは、リーダーの特徴(強み・弱み、好き・嫌いなど)を理解しながら、言うべきことを言えるようにしておく
(アサーション)。
⑤フォロワーは、他のフォロワーの特徴もよく理解し、良好な関係を構築する。
優秀なリーダーになるためのリーダーシップ・トレーニングを行うことは多くありますが、
併せて上記のような優秀なフォロワーを育成するためのフォロワーシップ・トレーニングも重要です。
(文責:EQパートナーズ 代表 安部哲也)
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