約100年前の1911年オーストリアの学者シュンペーターにより定義されたイノベーション。
シュンペーターは、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などを
それまでとは異なる仕方で「新結合」することと定義しました。
その後、ピーター・ドラッカーなどをはじめ、多くの研究者たちにより
イノベ―ションに関する研究が進められました。
1997年、ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセンが
「優良な企業が合理的に判断した結果、破壊的イノベーションの前に参入が遅れる」という、
イノベーションのジレンマを発表し、注目を浴びました。
また、クリステンセンは2011年発行の『イノベーションのDNA』の中で、
イノベーションは天才的なひらめきなどではなく、
①「関連づける力」②「質問力」③「観察力」④「ネットワーク力」⑤「実験力」を高めていくことが
新しい発見、イノベーションにつながるとしています。
以前、私はクリステンセンのセミナーに参加した際、
「イノベーションはその国の文化が影響するのではないか?
異文化研究の調査では、日本人はリスクを取らない傾向がある」と質問をさせて頂きました。
その際、クリステンセンは「日本もかつてはソニーのトランジスタラジオ、ウォークマン、
任天堂のゲームなどをはじめ、世界的にイノベーティブな製品を生み出してきたではないか。
国の文化はイノベーションとは関係がない」と回答しました。
イノベーションが企業の発展、成長のカギを握ることは間違いありません。
イノベーションの本質、ノウハウを研究し、
イノベーションが起こる組織文化、プロセスなどを構築する必要があろうと思います。
【参考】
『イノベーションのジレンマ』(クリステンセン著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4798100234/ref=pd_sim_b_2?ie=UTF8&refRID=0N0Q1JQ6492DNQVFMY0S
『イノベーションのDNA』(クリステンセン著) http://www.amazon.co.jp/dp/4798124710
(記: EQパートナーズ 代表・立教大学兼任講師 安部哲也)
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