”18歳の声”
9月29日にスタートした、
行政長官選挙の民主化を求めるデモが3週間目に入りました。
「雨傘革命」を世界中のメディアは色々と書き立てていますが、
デモ参加者の生の声を聞いてみようと、
デモの中心地である金鐘に行って来ました。
Ivy (アイビー)と Justin (ジャスティン)は香港生まれの香港育ち、
共に日本人が多く住む、太古の某コーヒーショップで働く18歳。
アイビーは高校卒業後何を勉強したいか考え中、
ジャスティンは大学に通いながら働いている。
ふたりは香港政府所在地、
金鐘にめぐらされたバリケードの一部を見張っている。
どちらの家族も両親はデモ参加を心配しており、
家族とよく喧嘩になるそう。
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今日で参加して何日目ですか?
どうしてデモに参加しているのですか?
アイビー:
今日で5日目です。
完全な普通選挙のためにデモに来ました。
仕事にはきちんと行って、終わるとここに来ています。
ジャスティン:
僕は初日からずっと来ています。
香港の自由が損なわれて行くようで恐いし、
今後きちんと中国政府の息のかからない立候補者に
投票したいと思いデモに参加しています。
仕事、大学、デモを往復する日々です。
今どんな事を考えていますか?
アイビー:
早く政府と交渉の進展があればいいなと思います。
私達はただ普通選挙を望んでいるだけです。
ジャスティン:
僕らはまだ若いし、世の中の事が分かっていない面も沢山あるけれど
これからどんどん中国の言いなりになっていくのは嫌なんです。
2047年(一国二制度が終わる年)になってから何かを変えようとしても遅すぎるから
今のうちになんとかしないといけない。
”僕らのしている事は香港人全員のためなのに。。。”
学生達の行動をナイーブだと言う人達がいますが、
その事についてどう思いますか?
アイビー:
私の周りの年配の人達はあまり現状を気にかけていません。
年配の人達は2047年(一国二制度が終わる年)
にはもうここにいないかもしれないけれど、
私達はこれから大事な人生が始まるんです。
ジャスティン:
ナイーブなのは大人達の方だと思う。
彼らは今日なにも支障がなければそれでいいと思っている。
でもすでに何かが変わり始めている。
僕らは香港人全員のために戦っているのに
彼らの態度はまるで他人事のようだ。。。
今なにかしなければ遅いのに。。。
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学生達は「応援・批判」、両方を受けながら
民主化という理想の為につき進んでいます。
私はデモに参加している学生全員の事は分からないけれど、
この2人の思想は真面目で素晴らしいと思い、心から応援したい。
たしかに今回のデモで迷惑している市民は沢山います。
タクシー、バス、トラム等の交通機関は一部ストップ。
閉鎖された道を避けなければいけないし、
バリケードされた地域の店舗は閉店している所もある。
経済面を心配する声も絶えません。
香港市民は殆どみんな民主主義をサポートしていると言いますが、
自分は発言せず、デモに出ている人達を批判している人も多いのが現状。
これから市民達の溝は深くなって行ってしまうのでしょうか。
何かを得るためには何かを犠牲にしなければいけない時もある、
それを考える毎日です。
2014年10月14日