先日9月24日、在シンガポールのビジネススクール、インシアードのアジアキャンパスにてエグゼクティブMBAについての説明会がありましたので、参加して参りました。
インシアードの特色
インシアードは世界有数のビジネススクールで、フランス(ヨーロッパ)、アブダビ(中東)、シンガポール(アジア)の三拠点からのグローバル展開をしています。インシアードのMBAプログラムは世界トップレベルと評価されており、Financial TimesのGlobal MBA ranking 2014では、世界第5位、またBusinessWeekによれば、Non-USビジネススクール第1位にランクされています。また、FT500(世界の時価総額ランキングのトップ500社)に入っている企業のうち、CEOを輩出した人数をもとにしたMBAのランキング(Financial Times紙,2014年)によると、インシアードはハーバード大学に次いで世界第2位でした。世界中から優秀な人材が集まるビジネススクール、それがインシアードです。
インシアードの大きな特徴は、ダイバーシティ。世界中からありとあらゆる人種、国籍、文化、業界トップクラスのビジネスマンが集う場所です。更なるダイバーシティ推進のため、途上国出身者のための奨学金制度もあり、またその一環で現在全体の25パーセントを占める女性受講者の割合をもっと高めるため、女性向け奨学金も設けています。卒業生ネットワークは世界各都市にあり、各地でイベントなども定期的に行っています。
エグゼクティブMBA内容
INSEADでは2種類のエグゼクティブMBAを提供しています。一つはGlobal Executive MBA(以下GEMBA)、もう一つはTsinghua-INSEAD Executive MBA(以下TIEMBA)です。
Global Executive MBA
GEMBAはインシアードの拠点、フランス、シンガポール、アブダビ全てのキャンパスで講義があり、受講者全員がこれらの拠点に行って、それぞれの講義に参加する必要があります。まさにグローバルな環境での学びの環境といえるでしょう。コースの期間はシンガポールから申し込んだ場合17ヶ月。2014年の受講者は160名、平均年齢は37歳(通常のMBAよりも約9歳上)キャリア年数は平均13年のシニアマネージャー対象のコースです。国籍は47カ国、出身業界は36のセクターに及びます。
Tsinghua-INSEAD Executive MBA
TIEMBAは中国の名門校である精華大学とインシアードのジョイント・ディグリーで、卒業すると両方の大学でエグゼクティブMBAを修了した扱いとなります。コースの内容はGEMBAに比べてアジアに特化しており、特に中国にフォーカスしたものとなっています。そのためGEMBAに比べると製造業からの参加が多いそうです。受講者は中国人が27%、西洋&その他の国籍が73パーセント。平均年齢と平均キャリア年数はGEMBAと同じ。コースはフランス、シンガポール、アブダビに加え中国が加わり、18か月の期間中、世界4拠点をまわって行われます。
二つのコースの共通点 “Leadership Development Programme”
エグゼクティブMBAの中心となるのが、リーダーシップ・デベロップメント・プログラム(以下LDP)です。LDPを通して、あらゆる角度からリーダーシップを養い、伸ばします。エグゼクティブMBA受講者は、出身業界や国、文化がばらばらになるように、意図的に4人のグループに分けられます。そしてそれぞれのグループにプロのコーチがついて様々なアクティビティーを行います。例を挙げると、チームビルディング、360度フィードバック、各界で活躍中のビジネスリーダーとのフォーラム、個人やグループでのコーチングなどです。インシアードはこのLDPの質の高さに定評があり、他ビジネススクールに比べても大変内容が濃いものとなっているとのことでした。
イベントに参加していた卒業生のお話がとても印象に残ったのですが、インシアードのLDPはそこでの学びも多いが、そのグループ内で培われた友人関係はコース修了後の現在も続いていて、それが大変貴重だとのこと。エグゼクティブになればなるほど、会社の同僚や家族に、仕事の悩みを打ち明け、話し合うということは難しくなるため、このような人間関係を作れる場を提供するというインシアードのLDPの意義は大変大きいと話していました。
イベント参加後の感想
世界トップレベルのビジネススクールらしく、とてもプロフェッショナル、かつエグゼクティブな印象のイベントでした。説明会参加者の方々は、すでに現在かなりのキャリアがあり、これからまた更に上を目指すといった感じでした。また前述しましたが、このイベントには、GEMBA卒業生が何人もボランティアで参加しており、参加者は卒業生から直接アドバイスや経験談を熱心に聞いていました。
イベントから受けた印象は、プレゼンの内容どおり、世界中からあらゆる人種、国籍、業界のエグゼクティブ達がさらに上を目指して集まっているというイメージのビジネススクールでした。既にグローバルに活躍するエグゼクティブ達をもっと上のレベルのグローバルリーダーに育てる、そんなプライドと静かな熱意が伝わってくるイベントでした。
EQパートナーズでは、東京、香港、シンガポールの3拠点で皆様のグローバルな人材育成のお手伝いをさせて頂いております。本ブログについて、また人材育成関連について、お気軽にお声かけください。