【コラム】香港大学・シンガポール国立大学などの訪問から

2015年のゴールデンウィーク中、香港、シンガポールを訪問し、ビジネス
スクール、エグゼクティブ・エデュケーションの責任者、教授などと
情報交換をした内容を下記にまとめます。

◆香港大学 LARRY教授◆
(エグゼクティブ・エデュケーション責任者・経済学教授)
◎日本企業は、成長を維持しながら新しいビジネスラインアップを構築
したり、イノベーションを起こしたり、新しいマーケットに入っていく
などして、あらゆる産業において、新しい競争優位を構築していく必要
がある。
◎プライベート&公的セクターが協力しながら、成長のための正しい環
境づくりをすべきであり、人材開発や労働環境のフレームワーク、起業
家マインド、イノベーション、競争、インフラの生産性向上などを強化
していくべきではないか。

◆シンガポールマネジメント大学 MICHAEL教授◆
(専門:グローバル交渉・異文化理解)
◎交渉力強化について、欧米では以前から高いニーズがあったが、最近
はアジアでも交渉スキル強化のニーズが高まってきている。日本でも今
後、交渉スキルを学ぶニーズは高まってくるのではないか。
◎欧米とアジアとでは、明らかにビジネススタイルが違う。欧米では、
スピーディに、ストレートに、結果はどうなるのか、利益がどうなるの
か等に焦点を当てて交渉を行うが、アジアではゆっくりと時間をかけ、
人間関係、信頼関係を構築しながら、ビジネスを行う。
当然、アジアの国々の中でも違いはあるが、欧米との違いを考えると
同質性が高い。
アジアにおいては、アジアのビジネス文化をよく理解した上でリーダ
ーシップや交渉を行っていくべきである。

◆シンガポール国立大学 PREM教授◆
(専門:グローバルマーケティング)
◎戦略・マーケティングもビッグデータ分析などのIT技術が進歩するこ
とで大きく変わりつつある。
従来のマーケティング手法に加え、新しいトレンドをつかみ、対応す
る必要がある。
◎イノベーションを考える際は、それぞれのマーケットを理解しながら
行う必要がある。

上記のような教授陣との打合せ内容を私なりにまとめると、下記となり
ます。
(1)アジア・新興国におけるグローバルビジネスは、欧米におけるビジ
ネスとの共通点もあるが相違点も多く存在するため、アジア・新興国に
おけるビジネスのやり方・トレンドを理解し対応していくことが必要で
ある。
(2)企業にとって、引き続き“イノベーション”が一つのキーワードで
あるが、イノベーションを起こすためには、3MやGOOGLEのように仕事
の時間の一定割合をクリエイティブに発想する時間としたりする環境づ
くりや、失敗を恐れず学習材料としてリスクテイクしていく仕組み・組
織文化づくりが必要である。
(3)日本企業としては、グローバル市場で競争・共創していくために、
新しいビジネスモデル構築とグローバル人材の採用・育成がさらに重要
となってきている。
(EQパートナーズ 代表  安部 哲也)

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