【コラム】”B to B” or “B to C” or “B to S” ビジネス? ケース:日本理化学工業株式会社

私が担当する立教大学大学院ビジネスデザイン研究科(MBA)のリーダーシップ論の課外授業で、ソーシャル・リーダーシップのケーススタディとして、日本理化学工業株式会社様をMBA大学院生たちと見学させていただきました。

 同社の社員は70%以上が知的障がいのある社員で構成されています。(全社員83名中61名が知的障がい者/平成28年2月現在)。IQ 50以下の文字の読み書きができない人が14名だそうです。
 このような人たちが一所懸命に働く場であり、また最低賃金以上の賃金を払い、自立を支援し、なおかつ日本国内のチョーク市場ではトップシェアを持つ会社です。私が調べた限りでは、日本はもちろん世界でも、このように障がい者比率が高く、かつ健全経営をしている会社はほとんどないようです。

IMG_6360(工場で見学者に一つ一つ丁寧にご説明される大山会長)

 当日は84歳の大山会長が「日本理化学工業は中小企業で、一人の余裕もないので、会長である自分が皆さんへの説明と見学の案内をさせていただきます」とおっしゃって、見学予定1時間半のところ、2時間半それもほとんど立ったままで、すべての質問にご回答くださるなど、たいへん丁寧にご対応いただきました。
 大山会長は、「人の究極の幸せは、①人から愛されること ②人からほめられること ③人の役に立つこと ④人から必要とされること である」から、施設で何もせずに暮らしていてもよい障がい者が、月曜から金曜まで毎日一所懸命に通い、仕事に励んでいるとおっしゃいます。
 また、「仕事は苦役ではなく、人のお役に立つ幸せである」ともおっしゃっていました。

 大山会長の仕事に対する姿勢や、人や社会のお役に立つという真摯な態度、行動に対して、本当に頭が下がりました。

IMG_6356(文字の読めない社員のために、赤と青のバケツの色を見分けて作業ができるようにしている)

 このような姿勢と愚直な行動が、まさにソーシャル・リーダーシップであると考えます。ビジネススクールで教えるソーシャル・リーダーシップとは、貧困、人権、食料、環境、紛争などの社会問題のことを考え、解決に向け個人・組織を動かし、そして同時に事業目的も達成することです。

 また、日本理化学工業のこのようなビジネスモデルは、“B to B”(企業・大学向け)でしょうか、“B to C”(消費者向け)でしょうか?
 日本経済研究所の鍋山徹氏は、このようなビジネスを“B to S”(Society 社会向け)ビジネスと定義しています。

 さらに、日本理化学工業の場合は、社会に向けて商品を販売するだけでなく、障がい者雇用を推進する、同社の活動に共感する大学や個人などと協力して事業を行う“B with S”(社会とともに存在する)ビジネスであるとも言えます。

 このように自分や自社の利益のみではなく、社会問題を考える、社会とともに存在する“B to S”もしくは“B with S”カンパニーが、これから1社でも多くなることを、期待したいと思います。

★ご参考: 日本理化学工業ホームページ 
 http://www.rikagaku.co.jp/handicapped/index.php 同社では毎月、見学日を設定されてます。

『働く幸せ』(大山康弘著) http://www.wave-publishers.co.jp/contents/tokushu/21.html
『日本で一番大切にしたい会社①』(坂本光司著)  http://www.amazon.co.jp/dp/4860632486
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科(MBA)  https://www.rikkyo.ac.jp/sindaigakuin/bizsite/
 EQパートナーズ株式会社 代表
 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(MBA) 特任教授 安部哲也

IMG_6393(大山会長と立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(MBA)大学院生とともに)

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