今学期より、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科(MBA)で“アントレプレナーシップ:起業家マインドとスキル”を担当させていただいています。これは新しく起業する、もしくは新規事業を立ち上げるための知識・マインド・スキルを身に着けることを目的としています。
考え方としては、主にティモンズ氏のフレームワークを活用します。
1)事業機会の発見
2)リソース(経営資源)の獲得
3)アントレプレナーとチームの構築
上記3つを今のVUCA(変化量、不確実性、複雑性、あいまいさ)の時代のビジネス環境に合わせ、検討していきます。
まず1)事業機会の発見 においては、何よりも顧客起点で考えることを出発点とします。
例えば、アマゾンの創業者ジェフ・ペゾス氏が当初考えたアマゾンのビジネスモデルも、まず最初に顧客の体験(カスタマー・エクスペリエンス)を最大化するというものでした。
特に大企業などで新規事業を検討する事業モデル研修などを行うと、どうしても顧客の視点よりも自社の持っている強み、技術、商品、サービスなどにフォーカスしがちですが、いったん企業側の提供者の視点を忘れて、完全に顧客の視点になってみることも重要です。
その場合、共感図などを使い、顧客が何を見ているか、考えているか、何を得たいのか、何に不都合を感じているかなどを顧客起点で考えていきます。
*参考: 共感図
次に2)リソース(経営資源)の獲得 として、ヒト・モノ・カネ・情報・
ノウハウ・時間などの経営資源をどのように社内外から調達するかを検討し
ます。
そして何よりも、3)アントレプレナー(起業家・リーダー)とチームの構築、
つまりコアメンバーのマインド・スキルが重要になります。
また、イノベーティブなアイデアを考えるには、「イノベーションのジレンマ」
などで有名なクリステンセン教授の「イノベータDNA」モデルを参考にしています。
1)質問力
2)観察力
3)ネットワーク力
4)実験力
5)関連づける力
*参考:イノベーターDNAモデル
ご参考となれば幸いです。
(EQパートナーズ 代表・立教大学大学院 特任教授 安部哲也)