コア・コンピタンスはグローバル化に重要?その1(byテルミ・ラスカウスキー)

EQパートナーズ講師のテルミ・ラスカウスキーです。

テルミ・ラスカウスキー

グローバル化を目指しているお客様に、「コア・コンピタンス」のワークショップを行っています。
そこで強調しているのが、自社のコア・コンピタンスをしっかりと把握して、
グローバル化戦略に取り入れることの重要さです。

でも、そもそも「コア・コンピタンスってなに?」と言われる方々が多いので、
ここで簡単に説明します。

◆ コア・コンピタンスってなに? ◆

Core Competence (コア・コンピタンス)
企業の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」
「競合他社に真似できない核となる能力」
「顧客にとって付加価値となるもの」のこと。

コア・コンピタンスは、「コア(Core)」と「コンピタンス(Competence)」を繋げた言葉です。

最近本屋さんに行くと、「体幹トレーニング」だとか「体幹ランニング」関係の本が山積みになってますね。
この「体幹」こそ「コア」なのです。「体幹トレーニング」のことを英語では「コア・トレーニング」と言います。
体幹とは、体の核(芯)のことで、体の土台とも言えます。それをしっかりと鍛えるメリットは多くあります。

「コンピタンス」は「能力」です。英語では「できる人」のことを「コンピタンスがある人」というように言います。

◆ コア・コンピタンス = 核(芯)となる能力 ◆

では、まず最初に、人のコア・コンピタンスを考えてみましょう。

よく「己を知る」って耳にしますね。これが、「自分の強みと弱みを知る」ということであれば、
言葉を変えて「自分のコアとなる能力と、そうでない能力を知る」、とも言えるでしょう。
「それって皆わかってることじゃないの?」と思うかもしれません。
でも、意外とそうでもないように思えます。

お相撲さんからアメフト選手?
例えば、有名なお相撲さんで、アメフトにチャレンジした方を覚えていますか?
同じように、レスリング(K-1)にチャレンジした元お相撲さんもいましたね。
お二人とも残念な結果に終わりましたね。
彼らが成功しなかった理由は色々考えられますが、私から見れば、このお二人は、
自分のコア・コンピタンスを新しい分野で活かせなかったのだと思います。

バスケットボール選手から野球?
逆の例でいえば、アメリカの有名なNBAバスケットボール選手が、
野球選手になって成功している事例があります。
この方は、自分のコア・コンピタンスを100%活かせているのだと思います。

コア・コンピタンスは使い回しができる
実は、コア・コンピタンスは、単に「核となる能力」だけではなく、
「他のことにも使い回しができる能力」という性質を持っています。
例えば、最近アメリカの企業は、軍人として成功した人たちをマネージャーに雇う傾向があります。
これは、軍人として成功する要素(例:組織力、リーダーシップ、逆境に強い)が、
企業のマネージャーとして成功する要素にイコールすると考えるからだと思います。

◆ 企業のコア・コンピタンス = コア3 ◆

    Core3
     企業の差別化の三大要素、
     1. コア・コンピタンス、2. コア・プロダクツ、3. コア・ビジネスを意味する、
     私テルミ・ラスカウスキーがつけた名称。

こんどは企業のコア・コンピタンスを考えてみましょう。

皆さんは、いわゆる「お相撲さん」の企業が、「アメフト」の企業に転身しようとして失敗した事例を
聞いたことがありますか?
企業が、新規事業を「手放した」又は「売却した」のは聞いたことがありますか?
全部が全部ではありませんが、失敗の理由は、コア・コンピタンスが活かせなかったからだと思います。

もちろん逆もあります。

企業のコア・コンピタンスの概念を最初に世に紹介したといわれる
ハーバード・ビジネス・レビューの記事“The Core Competence of the Corporation”では、
Hondaがその代表的な成功事例に取り上げられています。

オートバイから自動車?
Hondaは、世界にも誇る日本のグローバル企業ですね。
そのHondaがオートバイの市場から自動車の新しい市場に進出したときは勇気が必要だったと思います
(特に日本の企業はリスク回避型なので。これに関しては別のブログ記事を書きます)。
でも、この判断が大ホームランでしたね。

Hondaは、その後も、ボート、草刈り機、発電機など、どんどんと新市場に進出して、
ホームランを連発しています。
そして、この成功の鍵が「Hondaのコア・コンピタンスを活かしたビジネス戦略にある」というのが、
先ほどのHBRの記事が主張するところです。

コア3 = コア・コンピタンス x コア・プロダクツ x コア・ビジネス
では、具体的に、Hondaの成功の鍵となるコア・コンピタンスとはなんなのでしょう?

HBRの記事では、これを4つの要素に分けて説明されています。

1.コア・コンピタンス(Core Competencies)
2.コア・プロダクツ(Core Products)
3.コア・ビジネス(Core Businesses)
4.エンド・プロダクツ(End Products)

これを成長する木に例えると、こんな感じになります。

Tree of Competence
core-competence-tree-honda

根(ね):コア・コンピタンス

Hondaの場合、核となる能力は、エンジンやパワートレーン(注1)に関連するノウハウともいえます。
そして、このノウハウは、様々な製品で使われるエンジンやモーターを製造するときに
使い回しができる能力、いわゆる「コア・コンピタンス」なのです。
これが、Hondaという立派な木を支えて、栄養を吸収し、木を成長させる、根っこになる部分です。

(注1)パワートレーン:エンジンで発生させた動力を車輪やプロペラに伝える装置の総称。
参考:kotobank.jp

幹(みき):コア・プロダクツ

Hondaのしっかりとした根っこが支えている幹が、Hondaのエンジンという商品(プロダクツ)です。
これは「○○用のエンジン」というよりは、「Hondaはエンジンが作れる企業」という
概念的な意味を持ちます。この概念が「コア・プロダクツ」なのです。

枝(えだ):コア・ビジネス

この「エンジン」という幹をもった木は、様々な分野でそれを活かすことができます。
Hondaの場合は、オートバイの分野、自動車の分野、ボートの分野、芝刈りの分野、発電の分野、
というように枝を幅広くのばしています。この枝一つ一つが「コア・ビジネス」になります。

実(み):エンド・プロダクツ

そして、「Hondaと言えばこれ!」と頭に浮かぶのが、Hondaの様々な製品です。
オートバイでも車でも、もしくはHondaのOEM製品でもいいです。
この木の実が「エンド・プロダクツ」になります。

《この記事、つづく》 コア・コンピタンスはグローバル化に重要?その2

(記:テルミ・ラスカウスキー)

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