企業は海外、特に中国での事業展開に様々な不安を抱いていますが、
他社の奮闘や失敗から学ぶのはとても実用的なリサーチ方法です。
今日ご紹介するのは、
「Wal-Mart in China (2012) 、米ウォルマート社の中国進出」ビジネスケーススタディーです。
今年で中国進出から18年、なのになかなか消費者の心が掴めないでいるウォルマート。
他国では受け入れられた EDLP (Everyday Low Price 毎日低価格)も、中国の中流階級には
「安い=安全でない商品?」と映ってしまうようです。
ライバル企業の仏カルフール社は、中国では「家樂福 Carrefour」という名前で親しまれています。
こちらは中国本土進出の前にまず台湾で出店。
台湾で中華系の好みを知るために徹底的に試行錯誤したことが成功の大きな要因だったようです。
実際に、中国で成功している企業の多くはまず香港や台湾でマーケットを試しているのを見かけます。
このケーススタディーは、ACRCのサイトに登録すれば、誰でも自由に購入することができます。
とても興味深く、ビジネス英語の勉強にもなり是非お勧めです。
ダウンロードはこちらから: http://www.acrc.hku.hk/case/case_showdetails.asp?ct=popular&c=892&cp=1801&pt=1&pn=1&lv=en
アジア中心のケーススタディーで世界最大規模
このケーススタディーは香港大学のアリ・ファルフーマンド教授によって書かれました。
アリ教授は90年代にアジアのビジネススクールで使用するためのケーススタディーを探した際、
殆どのケースがアメリカ中心に書かれていたことに不満を感じました。
そこでアジア中心のケースのみを扱う研究センター 「香港大学ACRC」を1997年に創立しました。
アジアで最大規模を誇るACRCは、アジアと関連性のあるケースのみを扱っています。
現在500件以上のアーカイブがあり、米ハーバード大学をはじめ世界中の教育機関や
企業が利用、企業からプライベートリサーチを受注する等、大きな信頼を得ています。
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【NEWS】9月に香港でアリ教授のプログラムが受講可能
一般公開コースですので、どなたでもご参加頂けます。
「創造性とビジネスモデルの変革 Creativity and Business Model Transformation」
ファシリテーター:アリ・ファルフーマンド教授(香港大学ビジネススクール)
日時:2014年 9月27日(土曜日) 9:00am – 5:00pm
場所:香港大学 サイバーポート校
Executive Education Center, Faculty of Business and Economics
104, Block B, Cyberport 4
100 Cyberport Road, Hong Kong
受講者は20名ほどの香港・アジア在住ビジネスパーソンです。
英語がネイティブでない受講者も多く、男女ともに気軽に参加できます。
ビジネスネットワークにも最適な環境です。
詳細は、info@eqpartners.com までご連絡ください。
EQパートナーズ 香港駐在事務所
和田多実
香港大学 ケースセンターの教材は、新しいケースが多く、アジアや世界でのビジネスケースを学べます。また、ハーバードなどのケースと比較し、英語としてわかりやすいこともあり、日本人にとって学びやすいものと思われます。