企業や大学で経営者、管理者向け教育を担当させていただく際、その
会社の社長・副社長・役員などの経営幹部による講演・アドバイスをお
伺いすることがあります。
最近では、
「自ら率先すること」
「常に相手の立場に立つこと」
「部下には忍耐強く接すること
(自分が部下だったとき、上司はたいへん我慢強く接してくれた)」
「どんな人にもGIVE & GIVEを行うこと」
「仕事を見える化すること、ビジョンをしめすこと、情熱をもつこと」
など、実にシンプルなビジネスの原理原則についてお伺いしました。
経営・ビジネスは、ごく一部の人にしか理解できないほど難しい、いわゆる
“ロケットサイエンス”のようではなく、実は、シンプルなこと、当たり前のこと
を、
どこまで愚直に徹底して行うかというものではないかと思います。
以前、日産を復活させたカルロス・ゴーン氏のことを調べて
『カルロス・ゴーン流リーダーシップ・コーチングのスキル』(あさ出版)を
執筆した際も、ゴーン氏の経営手法が
(1)問題を発見する
(2)優先順位をつける
(3)実行・見直しを行う
と、実にシンプルであったことを思い起こします。ゴーン氏は「素人は
物事を複雑にし、プロは物事をシンプルにする」と言っていました。
経営やビジネスの原理原則はシンプルなものであり、「その当たり
前のことをどれだけ当たり前に行うか」が難しくかつ重要なことだと
思われます。
私なりに、そのためのポイントは下記と考えます。
1)自分自身で確固たる目標を立て、粘り強く愚直にPDCAを回すこと
2)一人の力は限られているので、
他者を助け、他者から協力・サポートを得ること
3)そしてできるだけ“楽しみながら”取り組むこと
(EQパートナーズ株式会社 代表・立教大学 兼任講師 安部哲也)